「大村はま」さんのテレビを見て

1月4日(日)
 夕方テレビをつけたら、見覚えのある顔が出ていた。「大村はま」さんだった。国語の教育者で教材を自分で開発して、同じものは使わないということでとても有名な方である。この方の本は何冊か持っていて、読んだことがあるし、サークルで以前何度か話題になったこともある。どちらかというと過去の教育者という印象が強かったのであるが、97歳の今でも、鳴門教育大学などで、講演をされているそうである。ものすごいパワーだ。途中からだったので残念だったが、とても面白く番組を見ることができた。
 テレビのインタビューの中で、なぜ、はまさんはあれだけの情熱を持って自分で教材を開発するのかが分かった。戦後教科書も何もないところからのスタートで、自分で創って行くしかなかったということをそのときの様子とともに語られていた。
 希望も何もなく、ただ学校(焼け残った校舎に異学年が集まった)に来て騒いでいた生徒たち、いくら注意しても聞く耳を持たなかった生徒たち。一度は絶望して、職を変わろうかとまで思ったのだが、恩師の一言で自分で困難を切り抜けるしかないと悟った大村さん。徹夜で作った新聞紙の切り抜きの教材、それをもって、言うことを聞かない生徒を一人一人捕まえてその教材をやるように言う、次の子を捕まえてまた、同じように言う、と何度か繰り返した。ふと見ると、最初に新聞を渡した子が懸命にその課題に取り組む姿があった。
 人間はどんな環境にいても、自分を向上させることを捜し求めているのだということがその姿から分かったというようなことをおっしゃっていた。それだけの経験をされてきたからこそ、自分の教材を開発し、ずっと教育に情熱を持って取り組むことができたのだと思った。また、そういう子どもの姿から、優劣をを超えたところに大切なものがあるということを感じたというお話しをされていた。
 再放送の予定を調べてみたが、今日の放送自体が再放送ということで、再々放送の予定はなかった。残念。
 「どなたが、ビデオに撮られた方はいませんか?」