複式教育講座3日目
7月30日(水)
複式教育講座3日目。夕べ雨が降ったようで、道路がぬれて、ところどころに水たまりができていた。明日の研修の後、輪行して、鳥取以東にサイクリングに行く予定なので、輪行しやすいように、泥よけはつけてこなかった。水たまりの上を通ると背中に泥が跳ねるので、注意しながら島根大学へと向かう。幸い、泥はねもなく、島根大学までつくことができた。そのとき・・・・タイヤに異様な感覚が・・・なんとパンクである。グレートジャーニーを購入して初めてのパンク。サイクリングの本で、雨の日によくパンクすると書いてあったが、本当だった。講座が始まるため、そのままで、駐輪場に止めて、教室へ急いだ。
今日の講座は、1コマ目はT教官の教育社会学だった。学校教育と社会のつながりを客観的に分析していくものである。学校というものは、社会の様々な知識や文化の中から選別したものを正当化して、学校教育で教えていく。その結果、知識や文化の習得度で、子どもたちを選別し、社会に人員を分配していく装置である。という考え方である。
学校の見方が二つあること、@機能論的パラダイム・・・これは、学校が分配装置として合理的に機能しているという考え方である。1960年代までのアメリカの考え方だそうである。もう一つはA葛藤論的パラダイム。・・・これは、学校が分配装置としてうまいぐあい機能していないのではないかという考え方である。教育の機会均等のために現在の学校制度がなりたっているのであるが、実はそうなっていないのではないかという考え方である。社会的不平等の拡大再生産装置になっているのではないかというのである。この根拠となってものが、1966年にアメリカでコールマンレポートというのが出され、子どもの社会的な属性(経済的環境、白人、黒人、親の職業など)によって分配に差がでているというものである。・・・・・・久しぶりにこういう系統の話を聞いた。大学って感じで難しかったが懐かしい気持ちになった。
2コマ目は昨日に引き続きY教官。印象に残った言葉は、
教育言語には第一言語(指示・説明・発問・助言)と第二言語(評価・注釈・支援)がある。子どもは第一言語で一度目を学び、第二言語で2度目を学ぶというものである。第二言語では、教師は二つの視点で子どもを見ていること。一つは現状のよさを見て、まず認めること、共感すること。二つ目は次の目標を見つけ、それを伝えること。
3コマ目は過去にこの講座で行われた研究授業のビデオを見た。感想は、複式でないとできないような内容のものはほとんどなく、イベント的な授業、お祭りのような授業が多いということである。複式教育の問題点や、工夫などを研究する授業としてはちょっと???というものが多かった。
4コマ目は自分たちで今度どんな研究授業をしていくのかというものである。算数の「わたり」をして、イベントに終わらせない研究授業をしようという気持ちで高学年部は意見が一致して、算数を取り上げることにしたのであるが、いざ、内容を考える段になってみて、これが大変やっかいであるということに気がついたのである。自分の学級ではない他の学校で、「わたり」の授業をするというのはほとんど不可能ではないかと思われた。実習の場を提供してくださる学校の先生も交えて指導案を考えていくなどの方法をとらないかぎり、難しい。しかも、悪いことに研究授業の前の日にそこの学校の5.6年生の担任の先生が算数の授業を公開する予定まで組まれている。ということは導入部分は、担任の先生が行い、もし、算数をするとしたら、その次の時間ということになってしまう。今までの授業がイベント的になったのも、こうして自分たちが計画する立場になると、なるほどと思えた。自分の学校の子どもたちではないところで、算数の「わたり」をするというのは本当に難しいと思った。それでも、いろいろ知恵を出し合い、前日の授業に関係なく、算数でトピック的に扱える内容にしようということになった。今のところの候補は、図形の発展的な扱いで、5年生は正多角形の角について、6年生は立体の発展について「わたり」の授業をするのであれば、普段の「わたり」の問題点や工夫などを研究していけるし、それまでの進度をあまり意識しなくてもいいというものである。もう一つは、四則計算の決まりをつかってゲーム的な授業をするというもの。5年生への問題と6年生への問題を難易で差をつけることで、わたり的な授業になり、複式教育の研究授業としても成り立つのではないかということになった。
この講座で研究授業をするにあたり、どこに視点を置いて行うといいのか??と感じた。教科の内容や教え方についてなのか、複式の授業としてどうしたらいいのかなのか、?である。昨年までのビデオを見て?は深まるばかり。しかし、不満ばかり言っていてもしかたがない。9月12日には研究授業を実際にするのである。意義をどこに持たせるかということを意識しながら、明日、もう一度計画をいたてよう。
帰りは、まず、パンクの修理から始まった。前輪をはずし、いつもサドルバックに入れているパンク修理セットを使い修理した。子どもの自転車のパンクを直して以来(1年前)なので、少々時間がかかったが、なんとか直すことができた。自転車に乗り、大学の体操部が練習をしているかもしれないと思いトレーニングセンターへ行った。しかし、今日は昼に練習をしていたようで、もうだれもいなかった。次に、せっかく松江に来たのであるから、松江城に行ってみようと思い、足をのばした。松江城にはサイクリングにはちょうどいい、緑の中に小道が続いていた。天守閣までは自転車は無理だが、無料で見ることはできる。(天守閣に入るのは有料)大学の時にお花見コンパで来たとき以来かもしれない。やはり、近くで見る松江城は迫力や威厳を感じた。