イタリア旅行

第4日目 2005.8.26  フィレンツェ・ピサ
 今日の観光は、フィレンツェとピサの斜塔。フィレンツェの町は、ドゥオーモを中心に街全体が世界遺産。タイムスリップしたような錯覚を覚えるほど昔の建物が大切に大切に保存され、そして今日でも使われている。屋根は赤瓦。丘の上から見た屋根はどことなく山陰の家々の雰囲気と共通するものがある。観光バスも入町料が1日2万5000円ぐらいいるし、それでいて中心部までは行けないという車の乗り入れを規制しているし、建物のリホームも内部だけ、もし建て直すとしたら同じものという街を保存することについては徹底している。それだけに、どこを歩いても何百年もの歴史の重さを感じさせる風景だった。
私の好きな風景は狭い路地を挟んでいる建物、しかもほどよく曲がっているところ。有名な建物もいいが、こうしたちょっとしたところの雰囲気がいい。
 最初はウフィッツィ美術館。ここは予約をしないと何十分、運が悪いと何時間も待つようなこともあるそうだ。今回はツアーとして予約しているので、セキュリティーチェックをするところで少し待っただけで入館できた。美術館は相当大きなもので、展示物も、ミケランジェロの作品やレオナルド・ダ・ビンチの作品など多数あり、とても1日では見切れないほど。実はここの展示物はメディチ家という商業、両替業で大成功をおさめ、実質的に町の政治に相当な影響力を持つようになった家のコレクションということで、当時どれだけの富を手にしていたか想像ができないほどだ。そのメディチ家の跡取りがいなくなったときに遺言で、他に転売せずに、ここフィレンツェにずっと置いておくということを条件にしに寄付されたものなのだそうだ。
 美術の教科書で見たサンドロ・ボッティチェッリ作、「ヴィーナス誕生」や、レオナルド・ダ・ビンチ作の「受胎告知」、ミケランジェロの作品など、世界的な美術品に心を奪われた。とは言っても後半はあまりの量に感覚が麻痺してすごいものも、あたりまえに思えてしまうほど・・・あ〜もったいない。

フィレンツェを丘から眺める    

 美術館を出て、少しの間自由時間、ということで、まず手数料なしの両替屋があったので、そこで3万円ほどユーロに代えた。まだ自分のものは買っていないのだが、お土産などで最初に両替したものが多少心細くなってきたからだ。

 

 そして、アルノ川にかかる橋「ポンテ・ヴェッキオ」に行った。この橋は橋自体が建物のようになっていて橋の両側に店舗がずらっと軒を並べている。橋と言わなければ町の続きと思ってしまう、そんな面白い橋だ。
 ここの売店で次男がお土産を買いたいというので買った。財布を出さなければならず、ガイドさんから注意を受けていたので、ここでも用心してお目当ての品を無事購入。同じものでも、場所によって値段が全然違う。前に見たところでは9ユーロだったものが、ここでは3ユーロだったのだ。ラッキー。 

     

    

ドゥオーモは、中には入らなかったが、周りから見ても、本当に立派だった。スケールがでかい!

 昼食はポーク。最初に飲み物の注文をききに来るのだが、水も含めて別料金だ。ためしにガス入りのミネラルウォーターをたのんでみた。私は、まあいけると思ったのだが、長男は今一つのようだった。味のないスプライトなんだけどなあ。

 バスに乗り今度はピサの斜塔である。駐車場から斜塔までは少し遠いということで、無料のピストンバスに乗った。降りたところからお店が並んでいて黒人が木彫りの装飾品を並べていた。ガイドさんによるとアフリカからの難民などか結構イタリアにはいるということで、そうした人々が生活のためにこうして働いているということだった。こういうお店は合法なのだが、歩きながら時計などを売っている黒人もいたが、彼らは違法らしく、売っている時計も偽者ということだった。
最初はピサのドゥオーモ。ここは、内部にも入れ、写真撮影もOKだった。斜塔が有名であるが、ドゥオーモもなかなかのものだった。

    

 ピサの斜塔は一面が芝生の広場の中にあり、芝生の緑、塔の白、空の青という、とても美しいカラーリングのように感じた。思ったいた以上に傾いていた。3階まで建てたところで傾き始め、工事を中断していたのだが、その後、傾いたまま工事を再開したというような話を聞き、面白いなあと思った。4階以上は、その傾きを直すために反対側にゆるやかに曲がって建てたということだ。ある意味不良品なのだ。しかし、不良品だからこそ、こうして多くの人々が観光に来る名所になり、そして、世界遺産になっている。これまた、面白い。年々傾きがきつくなり、100年もしたら倒れてしまうということで、1997年、やや傾きを修正してこの状態のままになるように工事をしたそうだ。これで安心。それにしても、本当によく立っているなあ。

   

 夜は、フィレンツェ市内のレストランでフィレンツェトスカーナ風ステーキを食べた。最初に出た少し平べったいスパゲティーがとてもおいしくて、長男はサービスのおかわりをもらうほど。ステーキも骨付きでとてもおいしかった。味は塩コショウで、シンプルだった。
 帰りはバスまでアルノ川べりを歩いた。夜のフィレンツェもなかなかいい。
 ホテルに帰って、デジカメが壊れて困っておられたSさんに予備で持ってきていたデジカメを貸してあげることにした。相当喜んでくださり貸してあげてよかったなあと思った。旅行が終わったらデーターをCDにして送ってあげるつもり。困ったときにはお互い様だ。