第80回益田教育サークル

1月27日(木)
 第80回益田教育サークル。
 本日は3名という少人数。私は今日の授業の報告。「ゆきの日のゆびんやさん」というとてもかわいい物語教材だ。この中のある部分の授業報告である。
 
益田教育サークル資料

国語の授業の様子(今日の授業より)

解釈
 あなぐまやしきに行ったねずみたちは、「ゆうびんうけの中に、やっとのことで、はがきとこづつみを入れました。」とあるが、なぜ、やっとのことなのだろうか?子どもたちは、寒いからとか、疲れていてという理由を言うだろう。しかし、それが理由ならば、あなぐまやしきにつく場面でやっとつきましたという記述になるはずである。ここでは、「ゆうびんうけの中に、やっとのことで、はがきとこづつみを入れました。」なのである。普通ゆうびんうけにこづつみは入れないものなのであるが、あなぐまが留守だったので、仕方なくゆうびんうけにこづつみを入れる必要が出てきて、小さくてなかなか入らなかったであろうゆうびんうけにはがきとこづつみを入れたのである。ここから、こづつみを外に置くのではなく、ゆうびんうけに入れる責任感のあるねずみの姿が読み取れる。
今日の授業の様子
子どもに漢字練習をさせる  5
音読練習をさせる      5
のこりの時間本文の読解指導
「先生、ここで不思議なことがあるんよ、みんなで考えて」
「(ゆうびんうけの中に、やっとのことで、はがきとこづつみを入れました。)ってあるけど、普通に入れればいいのに、なぜ、やっとのことなんだろうか?」
子どもたちの意見(7名学級であるが、これだけの意見が出た)
@.ゆうびんうけに手がとどかなかった
A.寒くて手がうごかなかった
B.つかれはてていた
C.重たかった
D.ゆうびんうけが小さかった
E.ゆうびんがいっぱいあったから
F.もんがあかなかったから
G.雪と風が吹いていていれにくかった
H.雪と風で見えにくかったから
 予想外にたくさんの意見がだされた。追求形態の授業本来のあり方ならば、これを最終的に2つにしぼり、どちらが正しいかを決着させるのだと思うが、今の学級の実態から今回は、意見交換ぐらいで、だいたいこのあたりが当たりかもね、と言う感じで終わった。
 あまり違うということを強調させると、違った子が落ち込むことがある。普段の生活から考え、今回は、違うものをあまり強調せずに、正解の方を、この答えすごいねえという感じにしていきたいと考えた。
 一度提出された意見は、学級の意見なので、みんなでそれは違う、意見を出した人もその意見を違うといってもいいんだよ。ということを言ってはいるのであるが、自分の意見に固執してしまい、うまいぐあいいかない現状がある。出した意見を否定されることはすばらしいこと、間違いがあったからみんな深い学習ができるということを学級の文化にするのが理想なのだが、なかなか・・・。
 私自身、普段の生活で、自分の出した意見を他の人に否定されるとあまりよい気持ちはしないので、それを子どもに求めるのは本当は大変なことなのだと思う。戸田学級など、そういう点からだけ見てもすごい学級だと思う。
 子どもたちが出した証拠
@     の理由、やっととあるから、入れるのが大変だったはず。手がとどかなかったら苦労する。・・・後に挿絵から違うということになった。(これっていいかな?)
A     の理由 たぬきさんに、ゆきもかぜもひどくなりそうと言われているし、寒いと手が動かなくて、ゆうびんうけになかなか入れられない。
B     の理由 寒い中きたから
C     の理由 重かったらやっとって感じがする
D     の理由 ふつうこづつみをゆうびんうけに入れないのに、入れたから、ぱんぱんだったはず。
E     の理由 同上
F     の理由 もんがあかなかったらなかなか入れられないから・・・・後にもんの外にゆうびんうけはあるはずだということで、否定された。
G     の理由 入れようと思っても風がつよくて、なかなか入れられなかった。
H     の理由 Gとほぼ同じ。
 話し合いをしていくうちに、ぼくもそう思う・・・という感じになり、ゆうびんうけが小さくてはがきとこづつみがなかなか入らなかったから「やっとのこと」なのだということになった。
 きれのいい授業ではなかったが、子どもたちはいっぱい考え、いっぱい頭を使った授業になったように思う。この物語は、とても素敵な物語だし、授業で問題にすることで、深く読み取れる箇所が多くある優れた作品だと感じている。
 広山さんは、今度2月4日にある道徳の授業案。詳しくは4日以降。
 3名ではあったが、有意義なサークルになった。それにしても、80回とは我ながらよく続いたと思う。細々とではあるが、継続は力なりを信じて、これからもやっていきたい。
 次回は、2月9日(水)の予定。

My tracks 2005