土堂小学校教育研究会に参加

1月19日(木)
 久々の研究会参加。今日は広島県尾道市の土堂小学校。この学校は100マス計算で有名なあの陰山英男氏が校長の学校である。kyositu.comというメールマガジンを購読しているが(購読と言っても無料)それで、この研究会のことを知り、すぐに希望をし、許可されたものだ。テレビなどでは何度も見たことがあるが、実際に見るのは今回が初めてである。
 特に興味があったのはモジュール授業。これは、100マス計算をしたり、暗唱をしたりと基礎学力の部分を繰り返し、繰り返し取り組む時間である。私も、昨年1学級でこれを参考にして子どもたちにはパワーアップタイムとして実施したものだ。今回の研究会は実はITというものが全面に押し出されていた。土堂小学校の新たな挑戦という位置づけらしい。ITを活用することで、学習の効率化をはかり、重要な部分にじっくり時間をとっていくためだ。
 さて、実際の授業の様子であるが、4つのクラスが公開授業をした。ただ、平行して行われたため、部分部分でしか見ることができなかったが、それでも、土堂小学校の実力というか、雰囲気というや活気は充分に伝わってきた。また、参考になる部分も多く、有意義な研修会となった。
 実際の様子
 2年1組 
 デジタルボードを使って、全員で次々に暗唱している百人一首の音読をする。この声にははりがあり、しっかりと口を開いていた。
 100マス計算を足し算、引き算、掛け算をそれぞれのパソコンで行っていく。パソコンを使うことで、履歴も残り、進歩がはっきりと分かるということや、それぞれのペースで行うので、他の人との競争というよりも自分との競争ということが意識できると感じた。その後、そろばん。5つのかたまりを意識させたり、十進法を体感させるには優れた教材だなあと、見ていて感じた。わがクラスでもやってみようかなあと思った。全体的に非常にテンポがいい。子どもたちがぼーっとする暇がない。脳みそが汗をかくぐらい働いているという感じだった。

 2年2組
 こちらもモジュール授業。ただし、内容は百人一首の暗唱は同じだが、その後は違うものだった。パソコンのローマ字打ちのタイピングの練習だった。ブラインドタッチに挑戦している子もいて、2年生としては非常に技能が高いと感じた。その後、タブレットPCで漢字練習をしていた。画面には普通の漢字テストのようなものが映し出されていて、そこに専用の電子ペンで漢字を書いていくというもの。書き順まであっていないと○にならないというソフトだ。×になった漢字は、ペンでタッチすると、正しい漢字と書き順も表示され、それを見ながら練習をするというもの。このソフトは個人学習にはとても有効だと感じた。
 私もはまっている『もっと大人のDS脳トレーニング』に漢字を書く練習があるが、これの小学生版、しかも書き順もついているものという感じがした。

4年1組
 算数の授業。デジタルボードを使っての授業。この授業は少ししか見ることができなかったので、印象としての紹介。子どものノートや教科書のグラフなど実物投影機を使って全員で見ることが簡単にできるので、板書をしたり、画用紙に拡大して書いたりする時間の節約になり、効率がよいのだと思う。

6年
 英語科「ごんぎつね」の授業。土堂小学校では総合的な学習は英語科、郷土科、情報化として取り組んでいるそうで、その英語科の公開。「ごんぎつね」という子どもたちが良く知っている題材を使って英語を学習していた。こちらもデジタルボードを使い、音声と文字(英語)と日本語でテンポよく英文を声を出して読んでいた。また、その応用もすぐに出して、文の構造というか、使い方までも理解させる、そんな授業だった。内容も相当高度で、ちょっとした中学生でもかなわないかも?そんな印象をもった。

 公開授業後、研究発表では陰山校長が発表するなど校長自らがリーダーとなり学校経営をしているというのが感じられた。
 研究会の日程が終わったのが4時50分ごろだった。せっかく尾道に来たのだから文学の小道でも散歩しようかな?と考えていたのだが、(土堂小は文学の小道や古寺めぐりコースのすぐ近く)なんと、放送で希望者だけに5時から1時間ほど、図書室で陰山さんの勉強会(講義)があるという紹介があった。
 こんなチャンスはめったにない、ということで、迷わずその勉強会に参加することにした。
 ここでは、全体会での研究発表以上に陰山さんの情熱が伝わってきた。豊富なデーターにより、いかに土堂小学校のような取り組みが子どもたちの学力をつけていくのに有効であるか、ということを分かりやすく説明された。また、日本の教育の現状、そして、学力低下が起こった原因、そして、その対処法の誤り、これから進むべき方向など、納得させられた。また、ぶっちゃけ話(オフレコ)もたくさん紹介され、とても面白かった。
 特に100マス計算よりも、基礎学力をつけるのはまず、生活指導から!というのが印象に残った。「早寝早起き朝ごはん」このことをするだけでも学力は必ず伸びる。ということだった。
 
 尾道ということで、昼食も夕食も「尾道ラーメン」を食べた。家族へのお土産も「尾道ラーメン」。
 今回は観光はできなかったが、やはり、尾道という街はとても雰囲気がいい。土堂小学校の雰囲気もとてもよかった。


林芙美子の母校でもある土堂小学校

百人一首の暗唱

PCタブレットで漢字練習

陰山氏による勉強会

My tracks 2006