7月

島根県小学校体育授業研修会参加

7月29日(木)
 島根県の小体連の研修部が主催した、体育の研究会が出雲の高松小学校で行われた。毎年こうした研修会があるのであるが、何年かぶりに参加した。この研修会に出席すると、島大の体育研究室の同窓会のような気がするほど、顔見知りが多い。
 この研修会の特徴は、夏休みでありながら、子供が学校に登校して、実際に授業をするのである。授業者は体育のスペシャリストと呼ばれる人を招き、その方が行われる。今年の授業者は、昨年まで兵庫教育大学の附属小学校に勤務の辻 延浩氏と昨年まで筑波大附属小学校勤務の松本格之祐氏の2名であった。
 辻氏の授業は、4年生のラインポートボール。授業自体は、子供たちもよく動き、いい感じで進んでいったが、この授業の提案は何なのか?というのが今一つ見えてこなかったが、後の授業研究の中の解説で、普通のポートボールと違い、ゴールマンがエリアの中を自由に移動できるようにしているため、ゴールマンとシューターのコンビネーションが工夫できるということが最大のうりで、ゴールというのはパスの延長である、パスが上手にできると、シュートも上手になるというようなお話をされ、なるほどと思った。
 松本氏のこの授業に対する指摘の一つに、功と守を別々に行う前段階のゲームをもっとこの時期はしっかりやらせる方がいいのではないか?というお話もなるほどと思った。

 松本氏の授業は、2年生の「鉄棒の逆上がり」の授業。逆上がりの、前段階の基礎的な動きや感覚作りに焦点をあて、そこからだんだん逆上がりにつなげていくというもので、最初はマット運動から入った。授業後の自評の中でもあったが、3〜4時間ぐらいの内容を1時間で行うような感じで授業者も子供たちも消化不良のような感じだった。しかし、松本氏の授業には、はっきりとした提案性を感じることができた。基礎的な動きや、感覚作りをしっかりさせること、その動きそのものにも楽しみを持たせて取り組ませることなど、とても参考になった。
 松本氏の言葉に「授業というのは、子供がその気になって、ちょっとでもやってみようかな?と思い、課題に近づいていければ、ひとまず成功ではないか、その時間にできるのが指導者としてはマジックみたいでかっこいいが・・・。」といわれた。松本氏は、筑波大附属小で子供たちに優れた技を身につけさせる実力派の先生である。子供たちに技ができるようにさせたいという願いは人一倍強く持っておられる方である。そこのところを見落として、言葉だけを解釈するのは危険で、技を習得させたいという強い願いは教師としてもって、そのためにいろいろ工夫していかなくてはならないが、・・・という前置きがあることを忘れないようにして、この言葉を理解したいと思う。

MyTracks2004