キャンプでの時間

 キャンプを始めてみて、意外に感じたことに、案外ゆったりした時間をすごせるということがある。始めるまでのキャンプの印象といえば、テントをたてたり、火をおこしたり、料理をしたり、片付けをしたり、とあくせくとして、ゆっくりとくつろぐ時間などないといった感じだった。しかし、実際にやってみるとこれが意外や意外。ゆったりとした時間を楽しめるのだ。確かに、テントを立てたり、料理をしたりという時間は普段の生活よりもかかる。
 しかし、それでもまだ、ゆったりしている。その理由のひとつは「テレビがない」ことだと思う。我が家はあまり、テレビを見る方ではないのだが、それでも時々は見る。ちょっと見たつもりでも、1時間、2時間はあっという間に過ぎていってしまうことはみなさんも経験済みだと思う。このテレビがないということがキャンプでのゆったりとした時間を演出してくれていると思う。たまに、キャンプにまで、電化製品をがんがん持ち込んでいるキャンパーがいるが、実にもったいないと思う。そんなこと家でもできるのに・・・と。
 もうひとつの理由は、家にいると、なんだかんだ言ってもしなくてはいけないことが次から次へとでてくるという状況にあるが、キャンプに行くと、そういった世間とは一線を隔しているということだと思う。何もかも忘れて、キャンプを楽しむことができるのである。
 子どもたちもテレビゲームはできないし、もちろんゲームボーイももって行かない。ただ、グローブやボールなど野外で遊ぶ道具はもって行くけれども・・・。そうした中で、遊びを開発して楽しんでいる。
 食事も終わると、することがなく、ただぼんやりとした時間がすごせるのである。考えようによっては、なんと贅沢なことだろう。いろいろなことに振り回されて時間をすごしている日常から、自分たちだけの時間をもてるのである。
 そうしたゆっくりした時間にいすにこしかけてレギュラーコーヒーの香りを楽しむなど、本当に癒されるものである。また、普段は、外の雰囲気をあまり意識していないのであるが、キャンプになると、そうしたゆっくりした時間の中で、外の雰囲気を感じ取り、それを楽しむことができるのである。